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怪的創作集団『新・妖怪党』
崇道院早良は新・妖怪党員として活動しています。 只今『三吉鬼遺聞録』(仮)連載中。 ※著作権等は党或いは各々の党員のものです!!
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退廃モビィディック 〜崇道院早良の日常劇場〜
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崇道院早良

Author:崇道院早良
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2008.12.29 Mon
まずは一話終了。
いや〜昨日の椿三十郎、かっこよかったなぁ…早良です。

ヒーローとはギラギラしててちょっと抜けてて人好きのするものだ。そして圧倒的なまでの強さや存在感なんかを持っていて、それ故に孤独なものだ。

…とかなんとか考えてしまって、う〜ん三吉鬼とも遠くはないぞ、と。笑

では小説を。やっと一話が終わりまして、次は小話。そん次が二話目です。
年内には辿り着くぞ〜!!!

―(無断転載禁止!!)―

『三吉鬼遺聞録』(仮)
《「新説・葛の葉荘物語」より》

第一話   ぶっ飛んだヤマ(4)-終 


 「白い、白いなぁ……」
 三吉鬼は呟く。そして、急にハッとして跳ね起きると、
 「白怖ぇー、白怖ぇよぉー」
 ……泣き出した。
 主治医の倉ぼっこ、野田倉斎(やだそうさい)が駆けつけてきて、延髄に杖での一撃を加えるとすぐにおとなしくなった。しかし、医者がそれでよいのであろうかは疑問である。
 ここは病院。畏山医院(おそれやまいいん)の病室である。壁、床、天井、寝具、そして寝具の上の包帯の塊、もとい三吉鬼。白白白、真っ白である。彼は骨を折ったため入院することになったのだ。いや、比喩でなく。
 あの日。言うまでもなく人界にコダマネズミを捕獲しに行ったあの日。彼は大ポカをした挙句、雪崩に巻き込まれたのだった。コダマネズミが破裂した時点で災厄決定だったのだが、三吉鬼は吠えに吠えた。その声が響き渡った結果―というかそもそも山に入った段階から、叫びまくっていたため、いつ雪崩が起きてもおかしくなかったのだが―雪崩が発生したのである。頭がいいとはお世辞にも言えない。
 三吉鬼は流石に寒さには強く、また当然のように懐中に酒をしこたま仕込んでしたのも幸いして、凍死、凍傷などには至らなかったが、骨はバキバキになった。その状態で飲んだのもどうかと思うが。
救出の経緯はこんなところである。千々古が念話を駆使し、山おんじを呼び戻して、助けてくれればすぐ帰るし、しばらく来ない、山の神にお供えもする、後で三吉鬼に念書を書かせてもいいと立て板に水の如くまくし立てたおかげで、山おんじをはじめ山の怪がしぶしぶながらも総出で捜索と救出を行ってくれたのだ。千々古、投げられたのに良いヤツである。
 ちなみに鳴家は三吉鬼より見つけられるのが遅れたが、木のうろの中で延々とおしくらまんじゅうをしていたため、大丈夫だったらしい。
 そんなわけで三吉鬼は雪崩の圧倒的な威力、および白さに恐れを抱き、白恐怖症になってしまったのだった。余談ではあるが、この症状はどうやら尾を引いたようで、退院後にお祝いと称して酒盛りをした際、出席していた酒飲み仲間の白粉婆を見て、酒を放り出して逃げ回るほどであったという。
 杖による昏倒から立ち直り、三吉鬼は白に怯えながら固く心に誓った。ここを出たら飲みまくる、赤とは無縁の、そう、赤口で飲んで飲んで飲みまくって、南方南蛮の野郎に文句しこたま吐いてやる、と。
 しかし、野田先生の見立てではどうしても隠れて飲酒しているようなので骨折の治りは遅く、当然のように退院はかなり先の話とのこと。三吉鬼の白と禁酒の受難の日々は続く。
 
 ―……っと、今日のところはこの辺にしておくとしよう。我らが愛すべき三吉鬼のこととなるとどうもお喋りがすぎる。彼の話はまだまだある。諸君、気が向いたときにまたおいで。妖界はいつでも誰でも拒みはしないのだから。私も気が向いたのなら大いに語ろう。彼の、三吉鬼の物語を。



―――

では本日是迄。

チェリオ♪ノシノシ

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